Blog 箱根ガラスの森美術館ブログ

レース・グラス蓋付容器
(16世紀|ヴェネチア)

4つの小さな球状の脚が付いた蓋付の容器。胴体の底は透明の紐状ガラスで装飾されている。蓋中央に4つ重ねられた玉飾りと把手には、苺のような型押しの装飾が熔着されている。
このような器は祝宴の席などで、氷を敷き詰め、小さなワインボトルを冷やすために使われていたと考えられ、「カネヴェッタ」と呼ばれる。

2025年初春 所蔵作品展「ヴェネチアン・グラスとカーニバルの世界」
https://hakone-garasunomori.jp/event/2025_festival/
会期:2025年1月25日(土)から4月13日(日)まで。

展示作品のご紹介:獅子形水差

獅子形水差
(16世紀中頃|ヴェネチア)

ヴェネチアのシンボルで、福音書記者 聖マルコを表す獅子を象った珍しい形の水差です。注ぎ口だった尾の部分と金属でできていただろう台座が欠失していますが、ヴェネチアの獅子らしい威風堂々とした姿をしています。同じ形で、レース・グラスで作られたものが、イギリスのジェームス・ロスチャイルドコレクションに収蔵されています。

2025年初春 所蔵作品展「ヴェネチアン・グラスとカーニバルの世界」
https://hakone-garasunomori.jp/event/2025_festival/
会期:2025年1月25日(土)から4月13日(日)まで。

トリック・グラス
(19世紀|ヴェネチア)

トリック・グラス、別名ジョーク・グラスとも呼ばれるこの作品は、宴席などで来賓を楽しませる余興の一環として使われたと考えられている。トリック・グラスには様々な種類があるが、このトリック・グラスは、器の中にガラスの管が取り付けられており、この管が隠れる量の液体を注ぐと、管の中の空気が水圧で押し出され、管からつながっている脚の部分の穴を通って、器の外に液体が流れ出てしまう仕組みになっている。

2025年初春 所蔵作品展「ヴェネチアン・グラスとカーニバルの世界」
https://hakone-garasunomori.jp/event/2025_festival/
会期:2025年1月25日(土)から4月13日(日)まで。

展示作品のご紹介:中空脚坏

中空脚坏
(18世紀|ヴェネチア)

16世紀に作られたヴェネチアのクリスタルガラスは、中北部ヨーロッパ地方で人気を博して、盛んに輸出された。薄手で軽く、美しい造形は、その後の時代にも継承されて、ヴェネチアン・グラスの堅実な輸出アイテムのグラス・シリーズとして、後世まで作り続けられた。この作品は、素材の質や作品の器形が微妙に変化している点からみて、18世紀あるいはもっと後世の作品と推定される。

2025年初春 所蔵作品展「ヴェネチアン・グラスとカーニバルの世界」
https://hakone-garasunomori.jp/event/2025_festival/
会期:2025年1月25日(土)から4月13日(日)まで。

所蔵作品展「ヴェネチアン・グラスとカーニバルの世界」
https://hakone-garasunomori.jp/event/2025_festival/
会期:2025年1月25日(土)から4月13日(日)まで。
ガラス職人たちの造形技術の高さが詰まったヴェネチアン・グラス作品とともに古き良き時代から現代へと続くヴェネチア・カーニバルの世界をお楽しみください。

レース服の少女
(19世紀|ヴェネチア)
レースの服を身にまとった女性像。帽子やドレスは白いレース・グラスで作られ、清楚で上品な作品に仕上げられている。ふんわりと広がるドレスの袖やスカートは、女性の愛らしさが感じられる。

2025年初春 所蔵作品展「ヴェネチアン・グラスとカーニバルの世界」
https://hakone-garasunomori.jp/event/2025_festival/
会期:2025年1月25日(土)から4月13日(日)まで。

ドルフィン形脚ワイングラス
(20世紀 ヴェネチア)
19世紀にイタリアのサルヴィアーティ工房で海棲生物シリーズが発表され、水の都ヴェネチアを代表するようなイルカやタツノオトシゴなどのモチーフは大変な人気を博しました。

2025年初春 所蔵作品展「ヴェネチアン・グラスとカーニバルの世界」
https://www.hakone-garasunomori.jp/event/2025_festival/
会期:2025年1月25日(土)から4月13日(日)まで

レース・グラス玉脚コンポート
(16世紀末~17世紀初|ヴェネチア)

直線レース棒と縄目レース棒を交互に組み合わせたレース・グラスのコンポートで、開口部に広い鍔が作られている点に特色がある。
鍔広の開口部は、中に少量の珍味を入れる形式であるから、シュリンプ・カクテルや海鮮珍味を入れる器として作られたものであろうと考えられる。

2025年初春 所蔵作品展「ヴェネチアン・グラスとカーニバルの世界」
https://www.hakone-garasunomori.jp/event/2025_festival/
会期:2025年1月25日(土)から4月13日(日)まで

ダイヤモンド・ポイント彫り ヴァンジェリスティ家紋章文コンポート
(16世紀末~17世紀初|ヴェネチア)
宙拭き、熔着装飾、ダイヤモンド・ポイント彫り

この作品は、ダイヤモンド・ポイント彫りの代表的な一例で、草花文様とヴェローナのヴァンジェリスティ家の紋が彫刻されています。 大きなコンポートの皿部は、ほぼ水平に作られ、縁がわずかに反りその中央には青色のガラスの鎖と、それに沿って内側と外側に透明なガラスが、円環状に熔着装飾されています。この種のコンポートは、ダイヤモンド・ポイント彫りのほかにエナメル彩を施した作品も数多く残されています。

2025年初春 所蔵作品展「ヴェネチアン・グラスとカーニバルの世界」
https://www.hakone-garasunomori.jp/event/2025_festival/
会期:2025年1月25日(土)から4月13日(日)まで

風にそよぐグラス
(1895年│ヴェネチア│アルティスティ・バロヴィエール工房│ジュゼッペ・バロヴィエール制作)

名工ジュゼッペ・バロヴィエールによって実験的に作られたグラスで、19世紀末にヨーロッパで大流行した「アール・ヌーヴォー様式」を採り入られた作品です。植物の茎をイメージした細くて長い脚部の上に頭の大きな坏身が熔着され、わずかな風にも揺れ動きます。1895年に開催された第1回ヴェネチア・ビエンナーレと共に開催された展覧会に出品され、ガラス工芸の常識を破る驚異の技術を駆使した奇跡のグラスとして、大きな注目を集めました。

プロフィール

箱根ガラスの森美術館
箱根ガラスの森美術館
箱根ガラスの森美術館は、緑豊かな箱根仙石原にあるヴェネチアン・グラス専門の美術館です。

〒250-0631
神奈川県足柄下郡箱根町仙石原940-48
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