Blog 箱根ガラスの森美術館ブログ

コア・グラス双耳香油瓶
(紀元前2世紀~紀元前1世紀│東地中海沿岸域)

コア・グラスは紀元前16世紀頃、今から3500年程前に始まった最古のガラス製法の一つと言われている。金属棒に耐火粘土でコアと呼ばれる芯を作り、その周りに熔けた色ガラスを巻き付けて成形する。冷ましてガラスが固まった後に、内部の耐火粘土を掻き出して器に仕上げていた。

特別企画展:香りの装い〜香水瓶をめぐる軌跡〜
https://www.hakone-garasunomori.jp/event/exhibition_2024
会期:2024年7月19日(金)から2025年1月13日(祝・月)まで

「リンゴの花咲く木」香水瓶
(1919年|フランス|ルネ・ラリック)

ルネ・ラリックがデザインした香水瓶には大別して二系統ある。一つは化粧品会社や香水メーカーの依頼によってデザインをし、ラリック社で制作された一連の香水瓶。もう一つは、ルネ・ラリックが独自に制作した香水瓶のシリーズ。後者の一点がこの「リンゴの花咲く木(BOUCHON FLEURS DEPOMMIER)」である。ラリック独自の香水瓶の最大の特色は、大型の装飾的な栓のデザインであった。金型を使った型押し、型吹き成形とパチネ(古色付け)を併用した技法で中規模の手作り量産が行われた。

特別企画展:香りの装い ~香水瓶をめぐる軌跡~
https://www.hakone-garasunomori.jp/event/exhibition_2024.html
会期:2024年7月19日(金)から2025年1月13日(祝・月)まで

「夏休み お子様向け 作品鑑賞ガイド」
開催中~9月1日まで。
(受付時間:10:00~16:30まで)
クイズに挑戦しながら楽しく学べる、特別企画展:香りの装い〜香水瓶をめぐる軌跡〜「作品鑑賞ガイド」を美術館入口にて配布しております。

ブロンズ枠付き香水瓶セット
(19世紀中頃|フランス)

鍍金ブロンズ製の透かし文様は、ルイ16世様式のエレガントな仕上げで、そこに四本のクリスタル製共栓の香水瓶がぴったりと嵌め込まれている。香水瓶の口金にも、枠と同様の透かし文様が施されている。これと同形式の装飾金具を付けた香水瓶三本セットも作られていた。19世紀香水瓶セットの一つの花形作品であった。

特別企画展:香りの装い ~香水瓶をめぐる軌跡~
会期:2024年7月19日(金)から2025年1月13日(祝・月)まで
https://hakone-garasunomori.jp/event/exhibition_2024.html

花レリーフ方形香水瓶
(1760年頃|フランス)
バラの花をレリーフ状に装飾し、各種の芳香花を絵付けした方形香水瓶。この作品には制作した窯のマークはないが、ロココ様式の花のデザインや首部に施された金彩の手法などから見て、フランスで作られたものと推定される。

特別企画展:香りの装い ~香水瓶をめぐる軌跡~
会期:2024年7月19日(金)から2025年1月13日(祝・月)まで
https://hakone-garasunomori.jp/event/exhibition_2024.html

2024年初夏所蔵作品展:ヴェネチアン・グラスと祝祭の都
https://www.hakone-garasunomori.jp/event/2024_festival/
会期:7月15日(月)まで。
祝祭の持つ意味と時を越えて人々を惹き付けるその魅力をヴェネチアン・グラスや坪谷隆氏の写真作品を通してご紹介いたします。

展示作品のご紹介:龍装飾水差

龍装飾水差
(19世紀|ヴェネチア)

東洋の影響を感じさせる龍の装飾がついた水差。アヴェンチュリンのレース・グラス棒と水色不透明ガラス棒を交互に配したレース・グラスで作られている。脚は金箔熔着し、台は坏身と同じパターンで作られている。龍は、無色透明ガラスに金箔熔着、縦モールをつけて形作られており、赤い舌、黄色に黒い目玉の目がつけられている。龍は装飾的な把手となっている。開口部は外側に、台の縁は底側にそれぞれ折り返してある。

所蔵作品展:ヴェネチアン・グラスと祝祭の都
https://www.hakone-garasunomori.jp/event/2024_festival/
会期:2024年4月27日(土)~7月15日(月)

ドルフィン形脚赤色コンポート
(19世紀|ヴェネチア)

金を用いて赤く発色させた金赤ガラスで作られたコンポート。金赤ガラスは17世紀初頭に出版されたアントニオ・ネリの「ラルテ・ヴェトラリア(ガラス製造術)」で紹介され、そのドイツ語訳を行なったヨハン・クンケルが実用化している。
型吹きで菱形文が施された坏身は光を屈折させ、カットガラスのような輝きを放っている。坏身と台は、無色透明のガラスに金箔熔着し、ホットワークで制作された可愛らしいドルフィン形の脚でつながれている。

所蔵作品展:ヴェネチアン・グラスと祝祭の都
https://www.hakone-garasunomori.jp/event/2024_festival/
会期:2024年4月27日(土)~7月15日(月)

展示作品のご紹介:ドルフィン形脚キャンドルスタンド一対
(19世紀|ヴェネチア)

赤色のガラスで作られた一対のキャンドルスタンド。台、燭台、受け皿の部分にセレニウムを発色剤に使った赤色のガラスが使われており、ドルフィンは透明ガラスに金箔熔着したもので作られている。
ドルフィンの中ほどは、赤色ガラスで装飾してあり、目は中心が黒で周りが黄色いガラスチップがつけられている。

所蔵作品展:ヴェネチアン・グラスと祝祭の都
https://www.hakone-garasunomori.jp/event/2024_festival/

プロフィール

箱根ガラスの森美術館
箱根ガラスの森美術館
箱根ガラスの森美術館は、緑豊かな箱根仙石原にあるヴェネチアン・グラス専門の美術館です。

〒250-0631
神奈川県足柄下郡箱根町仙石原940-48
TEL:0460-86-3111
FAX:0460-86-3114

リンク